【基本情報技術者試験】よく出る問題(ハッシュソルト編)

 

基本情報技術者試験の午後問題では、ハッシュソルトに関する問題が出ています。応用情報技術者試験でも出ていたりと情報処理技術者試験では頻出と言える問題であると考えています。

今回はそんな「ハッシュソルト」について見ていきます。

 

目次

 

 

ハッシュソルトとは??

ハッシュソルトは、パスワードなどの機密情報を保護するために使用されるセキュリティ技術の一つです。ハッシュ関数によってパスワードを変換する際にランダムなデータを追加することで、パスワードの解読や総当たり攻撃に対するセキュリティを強化します。

通常、パスワードはハッシュ関数を使用してハッシュ値に変換され、データベースなどに保存されます。しかし、ハッシュ関数は入力が同じであれば常に同じハッシュ値を生成するため、ハッシュ値が漏洩した場合、攻撃者は総当たり攻撃などの手法を使ってハッシュ値を解読することができます。

ハッシュソルトを導入することで、パスワードのハッシュ化をより強固にし、攻撃者の解読を困難にします。ハッシュソルトはランダムな文字列やバイト列で構成されており、パスワードと組み合わせてハッシュ関数に渡されます。ハッシュソルトを使用すると、同じパスワードでも異なるハッシュ値が生成されます。

 

具体的なハッシュソルトの処理手順は次のようになります。

  1. パスワードとランダなハッシュソルトを組み合わせます。

  2. ハッシュ関数を使用して、組み合わせたパスワードとハッシュソルトをハッシュ化します。

  3. ハッシュ化されたパスワードとハッシュソルトの結果をデータベースなどに保存します。

 

ログインの際にも同じ手順を再現し、入力されたパスワードとハッシュソルトを組み合わせてハッシュ化し、その結果をデータベースに保存されたハッシュ値と比較します。

ハッシュソルトを使用することで、同じパスワードを持つユーザーでも異なるハッシュ値が生成されるため、パスワードの解読や総当たり攻撃に対して強力なセキュリティを提供が可能になります。

 

 

 

ハッシュソルトを使うメリット

上記でも少し取り上げていますがメリットはいくつかあります。

  1. パスワードの保護: ハッシュソルトを使用することで、パスワードのハッシュ化が強化されます。ハッシュソルトにより、同じパスワードを持つユーザーでも異なるハッシュ値が生成されるため、パスワードの解読が困難になります。

  2. 総当たり攻撃への対抗: ハッシュソルトはランダムなデータであり、ハッシュ関数によるハッシュ値の生成を予測困難にします。そのため、総当たり攻撃などの手法によるハッシュ値の解読を困難にし、セキュリティを強化します。

  3. 多重認証への対応: ハッシュソルトを使用することで、同じパスワードを持つユーザーのハッシュ値が異なるため、不正なアクセスによる権限の乗っ取りを防ぐことができます。これにより、多重認証の実装やセキュリティの向上が可能になります。

 

 

 

ハッシュソルトを使うデメリット

上記でも少し取り上げていますがデメリットはいくつかあります。

  1. 追加のストレージ要件: ハッシュソルトはハッシュ値と一緒に保存されるため、データベースやストレージシステムにおいて追加のスペースが必要となります。大量のユーザーデータを扱う場合、ストレージ要件が増加する可能性があります。
  2. パフォーマンスの低下: ハッシュソルトを使用することで、ハッシュ計算の処理時間が増加する場合があります。ハッシュソルトのランダム性や長さによっては、パスワードのハッシュ化に時間がかかり、システムのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。
  3. ソルトの管理と保管: ハッシュソルトはセキュリティ上の重要な要素であり、適切に管理・保管する必要があります。ソルトの漏洩や不正利用を防ぐために、適切なセキュリティ対策が必要です。また、複数のシステムやアプリケーションで同じソルトを使用することは避けるべきです。
  4. ユーザーログインの遅延: パスワードのハッシュ化におけるソルトの使用は、ユーザーログインの遅延を引き起こす場合があります。ソルトの追加処理やハッシュ計算の時間が増えるため、ユーザーがアプリケーションにアクセスする際の応答時間が長くなる可能性があります。

 

 

 

まとめ

基本的にはデメリットに関することは今までの経験上、ほとんど出題されていないものと感じています。ハッシュソルトはどんなものか、メリットはどんなものか等を押さえておけば問題ないと考えています。

 

また、ハッシュソルトに関する問題が必ず出るとは限りません。ただ、どんなものか知っておくだけで解答のスピードは格段に上がり、他の問題に費やせる時間が出てくると思います。

無駄とは思わず、旧基本情報技術者試験(午後問題)の過去問を一度見返してみてはいかがでしょうか。