2023年4月から基本情報技術者の試験制度が変更されます。
少し前にCBT方式への変更はありましたが、今回の制度変更は試験実施期間・出題方式等大幅な変化が見られます。
今回の変更で、今までの勉強がすべてムダになるわけではないですが、試験方式が変わればもちろん対策も変わると思います。
まずは、変更点を確認して試験対策に役立てましょう!
このページでは、「基本情報技術者試験 科目B(旧:午後問題)」に焦点を当てています。
全般的なことはこちらでまとめているので、ご確認ください。
基本情報技術者試験 2023年4月より制度が変わる?? - 基本情報技術者試験 合格戦略
科目Aについてはこちらから!
2023年4月から制度変更される?基本情報技術者試験【科目A編】 - 基本情報技術者試験 合格戦略
変更される点はココ!!
試験の全般的ことをいうと試験の実施方式等が変わっていますが、科目Aで特に気にしておくべき点を抑えましょう。
①採点方式
今までは、1問何点という方式を取っていましたが、解答結果に基づいて配点を算出する方式変更されました。
変更後:IRT方式
※IRT方式とは、解答結果に基づいて配点を算出する仕組みになっています。
そのため、従来の試験のような、【1問何点】といった明確な採点基準は存在しません。
IRT方式を用いることで、異なるテスト間でスコアを比較することもでき、また、複数回実施・常時受験が可能となります。
②合格基準
取らなければいけない割合は変わっていないので、個人的にはそこまで気にする必要はないと考えています。
③試験時間・問題数
試験時間が下記のように変更されます。
変更前:150分
変更後:100分
また、問題数も下記のように変更されます。
変更前:7問/13問中
変更後:20問
出題方式は「多肢選択式」で以前と同じですが、
データ構造及びアルゴリズムが8割、セキュリティが2割の割合で出題される点が大きく変わっています。
ちなみに下記のように案内が出ています。
出題数 20 問のうち,評価は 19 問で行い,残りの 1 問は今後出題する問題を評価するために使われる。
分野別の出題数は,アルゴリズムとプログラミング分野 16 問,情報セキュリティ分野 4 問とする。
また、選択問題もないので出された問題は全て答えないといけない方式になっています。
④出題範囲
個別プログラム言語による問題が「疑似言語」による問題へと変更されます。
アルゴリズムとプログラミングの問題が苦手な方にとっては地獄のような試験になってしまったかもしれません。
ただ、勉強する範囲は以前に比べてかなり絞れる問題設計となっています。
アルゴリズムとプログラミングの問題を制することで、基本情報技術者試験は合格できるようになったと考えています。
これまで必須解答とされていた「情報セキュリティ」と「データ構造及びアルゴリズム(擬似言語による出題)」の 2つの分野を中心にした構成に変更されます。
また、個別プログラム言語(C、Java、Python、アセンブラ言語、表計算ソフト)による出題は、普遍的・本質的なプログラミング的思考力を問う「擬似言語」による出題に統一されます。
具体的な問題はどんな感じ?
サンプル問題を抜粋しています。
基本的に問題の難易度は変わらないと感じています。問題を解いている感じだと基礎さえ出来ていれば、そこまで悩むこともないかと思います。アルゴリズムとプログラミンの対策として書籍を1冊カバーできれば、問題なく解けると思います。
アルゴリズムとプログラミングの勉強に絞れるという点では以前より勉強しやすくなっているかもしれませんね。
問1 次の記述中の "xxxx"に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。
プログラムを実行すると,“ xxxx”と出力される。〔プログラム〕
整数型: x ← 1
整数型: y ← 2
整数型: z ← 3
x ← y
y ← z
z ← x
yの値 と zの値 をこの順にコンマ区切りで出力する
解答群
ア 1,2 イ 1,3 ウ 2,1 エ 2,3 オ 3,1 カ 3,2
※基本情報技術者試験(科目B試験)サンプル問題(60問)セットより抜粋
問3 次の記述中の "xxxx"に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。ここで,
配列の要素番号は 1 から始まる。
関数 makeNewArray は,要素数 2 以上の整数型の配列を引数にとり,整数型の配列を返す関数である。関数 makeNewArray を makeNewArray({3, 2, 1, 6, 5, 4})として呼び出したとき,戻り値の配列の要素番号 5 の値は "xxxx"となる。〔プログラム〕
○整数型の配列: makeNewArray(整数型の配列: in)
整数型の配列: out ← {} // 要素数0の配列
整数型: i, tail
outの末尾 に in[1]の値 を追加する
for (i を 2 から inの要素数 まで 1 ずつ増やす)
tail ← out[outの要素数]
outの末尾 に (tail + in[i]) の結果を追加する
endfor
return out
解答群
ア 5 イ 6 ウ 9 エ 11 オ 12 カ 17 キ 21
※基本情報技術者試験(科目B試験)サンプル問題(60問)セットより抜粋
最後に...
制度変更を不安に感じる方もいるとは思います。基本的に試験範囲も変わっていないので勉強する内容は変わりません。勉強方法も参考書と過去問を使った勉強方法で十分であると考えています。
科目Bはデータ構造及びアルゴリズムが8割出題されます。逆に言えば、データ構造及びアルゴリズムの問題を取りきれば、合格できる試験です。
まずは、データ構造及びアルゴリズムに関する書籍を読破することから初めてみてはいかがでしょうか。
ただ、ナメていると落ちるのが基本情報技術者試験。しっかりと勉強する必要はもちろんあります。笑
制度変更で不安に感じる方はオンラインスクールの受講等を検討しても良いかもしれません。通信講座では、新制度へ向けた対策コースが設けられていますし、免除制度もうまく使えるかもしれません。
公式の制度変更を確認されたいという方はこちらをご確認ください。
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:基本情報技術者試験
私の受験記はこちらから!
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