ここでは「基本情報技術者試験」に特化したネットワークに関する知識を順を追って説明しています。
基本的な用語となるので、覚えていない方はまず用語から押さえていきましょう!
目次
ネットワークとは??
情報セキュリティの問題にもネットワークの知識は必要になってきています。
また、ネットワーク自体は今後もしばらくはなくならないでしょう。
(ITが進化してもネットワークが完全になくなるとは思えません。)
そのため、基礎さえ押さえておけば、かなり使える知識と言えるでしょう!
そもそもネットワークは、複数のコンピュータやデバイスが相互に接続され、情報やリソースを共有するための仕組みです。ネットワークは、データの送受信や通信の確立などの機能を提供し、インターネットや企業内のローカルネットワークなど様々な形態で利用されています。
OSI基礎参照モデルについて
OSI(Open Systems Interconnection)基本参照モデルは、ネットワーク通信の概念とプロトコルを階層的に分類し、相互に関連づけるためのモデルです。このモデルは、国際標準化機構(ISO)によって策定されました。
OSI基本参照モデルは、7つの階層から構成されており、各階層は独自の役割と機能を持っています。以下に、各階層とその機能を簡単に説明します。
1. 物理層(Physical Layer):
ネットワーク上の物理的な接続や電気的な信号伝送を担当します。ビットの伝送や電圧の制御などが含まれます。
2. データリンク層(Data Link Layer):
物理的な接続を安定させ、フレームと呼ばれるデータ単位で通信を管理します。フレームのエラー検出やフロー制御が行われます。
3. ネットワーク層(Network Layer):
データパケットのルーティングと転送を担当します。異なるネットワーク間でパケットを転送するための経路制御が行われます。
4. トランスポート層(Transport Layer):
データの信頼性と効率性を確保します。エンドツーエンドの通信を管理し、データのセグメンテーションや再構築、フロー制御、エラー制御を行います。
5. セッション層(Session Layer):
通信セッションの確立、維持、終了を管理します。データの同期や複数のセッションの管理が行われます。
6. プレゼンテーション層(Presentation Layer):
データの表現形式やデータの圧縮、暗号化などの処理を行います。データの形式の変換やセキュリティの提供が含まれます。
7. アプリケーション層(Application Layer):
ユーザーが利用するアプリケーションとネットワークを結びつけます。ネットワークサービスへのアクセスやメッセージの生成などが行われます。
OSI基本参照モデルは、異なる階層が独立して機能することで、ネットワークの柔軟性と相互運用性を高めることを目的としています。各階層は上位階層から下位階層へのデータの受け渡しを行い、上位階層が抽象化されたサービスを提供することで下位階層を利用します。
このモデルにより、異なるネットワークデバイスやプロトコルの組み合わせが可能になります。例えば、物理層では光ファイバーケーブルや電気信号などの物理的な接続方法が定義され、データリンク層ではフレームの作成やエラー検出が行われます。ネットワーク層ではパケットのルーティングが行われ、トランスポート層では信頼性のあるデータ転送が実現されます。さらに、上位のセッション層、プレゼンテーション層、アプリケーション層では、データのセッション管理、データの表現形式やセキュリティの処理、具体的なアプリケーションの機能が提供されます。
TCP/IPについて
TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)は、インターネット上でのデータ通信を可能にするプロトコルスイートです。
TCP/IPは、インターネット上のホスト間でデータをパケットとして送受信するためのプロトコル群です。TCP(Transmission Control Protocol)は、信頼性のあるデータ転送を提供し、データのセグメンテーション、フロー制御、エラー検出・修正を行います。IP(Internet Protocol)は、ネットワーク上のパケットのルーティングと転送を担当します。
階層的なアーキテクチャを持ち、アプリケーション層では、特定のネットワークサービスにアクセスするためのプロトコルが存在します。例えば、HTTPはWeb通信、SMTPはメール通信を担当します。
トランスポート層では、TCPやUDP(User Datagram Protocol)がデータの転送を管理します。TCPは信頼性を重視し、UDPは高速なデータ転送を実現します。
インターネット層では、IPがパケットのルーティングと転送を行います。IPはパケットに宛先のIPアドレスを付与し、ネットワーク上を経由して宛先に到達させます。また、ARP(Address Resolution Protocol)やICMP(Internet Control Message Protocol)などの補助的なプロトコルも存在します。
ネットワークアクセス層では、ネットワーク上の物理的な接続を管理します。EthernetやWi-Fiなどの具体的なネットワーク規格や、MACアドレスの解決を行うARPが含まれます。
TCPとUDPの違いについて
TCPとUDPは、上にも書いてあるとおり、インターネット上でデータを転送するためのトランスポート層のプロトコルです。
・TCP
TCPは信頼性のあるストリーム指向の接続型プロトコルでデータ転送時にパケットの到着確認や順序制御を行い、データの完全性を保証します。これにより、データの欠損や順序の入れ替わりを防ぎ、信頼性の高いデータ転送を実現します。また、転送中にエラーが発生した場合には再送要求を行い、正確なデータの到達を確保します。TCPはストリーム指向であるため、データをバイト単位で扱います。データの到着順序が重要なアプリケーションに適しています。例えば、Webページの要求やファイルのダウンロードなどに使用されます。
・UDP
UDPは非信頼性のあるデータグラム型プロトコルでデータ転送時に確認や順序制御は行わず、データの到着や完全性について保証しません。データグラムという独立したパケット単位でデータを転送します。UDPは軽量で処理速度が速く、リアルタイム性の要求があるアプリケーションに適しています。例えば、音声やビデオストリーミング、オンラインゲームなどに使用されます。UDPはTCPと比較して信頼性や順序制御が低いため、アプリケーション側でこれらの制御を実装する必要があります。
まとめ
基本の知識があれば、応用はいくらでも効きます!
ましてや、基本情報技術者試験は基礎を押さえていれば問題ありません。
今後、ステップアップを目指していくに当たり、これを機会に基礎固めをしていきましょう!
ただ、こちらに書いたのは基礎中の基礎です。
参考書を一度読んで、どんな機能を持っているのか・導入することでどんなメリットがあるのかを考え、覚えていきましょう!